アヒコファインテック株式会社
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蒸着加工

近年、微細加工技術や多層膜を利用したデバイスの発達とともに、薄膜加工の高度化が求められ、表面特性に影響を与えるコーティング膜の組成や構造を制御できる真空中での成膜プロセスが重要な役割を担っています。 真空での成膜プロセスは化学気相法(CVD:chemical vapor deposition)と 物理蒸着法(PVD: physical Vapor deposition)に大別されます。 しかし、これらの方法も化学的手法を用いながらプラズマを併用するなど,近年では 複合化が進み、名称が意味するような明確な区別は薄れてきているのが現状のようです。

真空蒸着
真空蒸着の原理は蒸発現象を利用した単純なもので、真空中で金属を加熱することにより 蒸発させ試料基板に付着させます。 身近な現象で言えば、水が沸騰し蒸気となりガラスなどに 付着し曇らせる状態と同じです。 水の場合にはこの現象が1気圧下で起きますが、水銀などを 除けば金属蒸気を作るにためには周りの圧力を低くする必要があります。 真空蒸着法は最も一般的な薄膜作製法で、欧米では太平洋戦争前からレンズの反射防止膜を作製するために用いられたといわれています。 また、蒸着金属の加熱方式にも幾つかの種類が存在し、抵抗加熱や電子ビーム加熱が一般的でありますが、最近ではレーザー加熱やホローカソードを用いた方法も使われています。 抵抗加熱はタングステンフィラメントからなるヒーターにより直接金属を加熱する方式です。 これに対して電子ビーム加熱は加速した電子を金属に照射し溶融させる方式で抵抗加熱に比べ不純物が混入しにくく、高融点の金属や酸化物にも応用できる利点があり広く用いられています。

スパッタリング
物質(ターゲット)の表面にエネルギー粒子(一般にはイオン)を照射すると、そこからターゲット原子が飛び出します。 これをスパッタリング現象といいます。砂利の中に石を投げ込むと、砂利が飛び散るイメージと似ています。 スパッタリング現象によって飛び出した原子を基板に堆積させれば薄膜となります。 従って真空蒸着のよう熱エネルギーによって金属を溶融し蒸発させる方法とは全く異なり、運動エネルギーを使って原子を飛ばします。 真空蒸着に比べて成膜速度は劣りますが、スパッタリングの場合は真空蒸着のように溶融という過程を経ないため、高融点材料もターゲットに用いることが可能です。 また、従来は金属などの導電物しかターゲットに用いることができない直流電源を使ったDCスパッタリングが主流でしたが、 高周波電源を用いるRFスパッタリングでは金属のみならずセラミクスのような絶縁物もスパッタリングできます。